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理事長所信

2020年度 一般社団法人稚内青年会議所
第66代理事長 西 隆寛

【はじめに】

青年会議所とは青年の真摯な情熱を集結し社会貢献することを目的に組織された青年のための団体であり、ボランティアであると同時に経済人であることが、我々の存在基盤である。そこにはそれぞれのあり方の兼ね合いをどうするかという問題が存在するため、公共にいかに貢献するかを考え行動することが必要である。個人の自立性は度が過ぎれば、社会の必要性を認めなくなり、社会の公共性のみを重んじれば、個人はそのための歯車に過ぎなくなる。そのような極端な偏りが生じないように、それぞれの意義を認め、それぞれを生かすことが必要である。これらを達成するために我々がすべきことは、それを観念や理想として提示するだけではなく、この地域において、地域のリーダーとして具体的に率先して行動し続けることであると確信する。
私は2014年、一般社団法人稚内青年会議所に入会した。当時の入会人数は13名で多くの仲間とまちのことを思い、まちのために自分たちができることは何か真剣に考え、語り、そして絆を深め数々の修練を乗り越え感動を分かち合った。まちのための事業や運動は仲間がいなくては到底乗り越えられなかった大きな壁であり、この壁を仲間と共に乗り越えた先に、持続可能なまちにするための壁がさらに大きく在ることは今でも変わらない。市民の一人として、JAYCEEとして、このまちを持続可能な稚内へと導くべく英知と勇気と情熱をもって行動したい。

【地域を担うリーダーの育成】

過去、JC運動の原則はリーダーシップトレーニングを基本とした個人の修練、社会への奉仕、会員相互の親睦とされていたが、これに加え現在私が思う「ひと」とは自分の生まれ育ったまちに対する「帰属感」や「誇り」といった部分の重要性にも十分配慮された社会を目指すものでなくてはいけない。こうした中で、JC運動の基軸は、自らに活力と知力とを兼ね備え積極果敢にJC活動ひいては社会改革運動を実践できる人間、そんな人間力の開発が必要であると私は思う。JC運動が理想とする「まちづくり」とはすべての市民を視野に入れた「ひとづくり」である。これに公共心を加えた「人間力開発」を実施したい。稚内青年会議所は市民団体ではなく、経済団体でもなく、自由闊達に社会的価値のあることを創造し実践していく団体を目指すことを念頭に置き、地域を担うリーダーを育成することが重要である。

【新入会員に対する教育】

新入会員だけにとは限るものではないが、青年会議所という組織について、青年会議所の歴史、会議の必要性の他、個人として目指すべきこと、団体として目指すべきことをしっかりと伝え、稚内青年会議所ひいては地域を担うJAYCEEとして自覚できる教育をしたい。

【雪を活かした郷土愛育成と会員同士の親睦】

現在の子供たちはスマートフォン、タブレットに夢中になり楽しんでいる姿を多く見る。これはその子の将来を想うと悪いことではない。しかし、このまちに生まれ育っていく中で、家では情報機器、外遊びは暖かい時期だけといった育ちかたはもったいない。私自身、幼少期に雪で遊ぶ楽しさは今でも心に残っている。雪が降り積もると道内各地で雪まつりが開催され稚内においても、わっかない氷雪の広場実行委員会が動き出す。我々はこの実行委員会組織の一部として参画し、寒い冬だからこそ楽しめる会場造りと内容の構築をすることで市民の郷土愛を育み子供も大人も、自分たちも楽しめる雪まつりを創り上げたい。また開催準備を通して会員同士の親睦を深めることにも注力したい。

【稚内のお祭り】

我々が根をはり活動を行っている稚内では神社祭り「北門神社例大祭」と南極ゆかりの地を題材とする「稚内みなと南極まつり」が開催される。北門神社例大祭神輿渡御では、我々が参画団体として他団体との連携を図り、より多くの市民と共に練り歩きこのお祭りを盛り上げたい。そして稚内みなと南極まつりに参加することで、65年間ご理解をいただき続けた市民に、最高のパフォーマンスを取り入れた踊りで会場を沸かせることで感謝の意を伝えたい。

【総務活動】

総務活動はLOMにとってまさに根幹であり、創立65年を迎える本年は特に中枢としての担いは少なくない。資料の作成や記録管理などといった我々の活動には欠かせない脈々と続く総務活動に加えて、LOM全体を見渡し、創立65周年のスタンダードを模索し構築する。総務活動こそ今までの活動の検証が最も重要であり、検証を踏まえた上でLOM内部の連携を図り活動を展開していきたい。

【シーンに即した広報活動と内部連携】

現在様々な団体がある中で、稚内青年会議所は特長や活動内容が認知、共感されなければ他団体との差別化を図ることが困難な状況である。市民の支持を得て、地域社会の活性化に寄与する必要不可欠な団体として、これまでの実績を絶やさずに今後の運動を今まで以上に市民に発信したい。LOM内部の連携を強固にし、より一層認知度の高い団体となるための広報活動を行いたい。

【持続可能な開発目標】

我々の住み暮らすまち稚内では様々な問題があり、課題解決に向けて取り組む行政や団体がある。この中で稚内青年会議所は経済を良くするのと同時に社会を良くしようと運動してきたが、人口減少という大きな問題があるまちにおいて、今以上の経済発展は見込めるのか疑問に思う。しかし我々が取り組んできた、より良い社会を築き上げることができたならば、そこにひとは集まってくるのではないだろうか。では良い社会とはどう築き上げるのか。現在、世界が認める社会が良くなる目標、持続的な開発目標「SDGs」がある。我々が既にやっている活動や運動は「SDGs」という目標へと知らずして向かっているのではないか。本年は、「SDGs」と我々の活動や運動を強力にすり合わせられる知識と明確な目標に向かうための一助となる学びの場を設けたい。

【会員拡大】

なぜ会員拡大運動をするのか。これは内的な組織としての成長のため、外的なJC運動の社会の評価と結果に基づく共感と共鳴の輪を広げるためであると考える。自らの活動に誇りと自信を持ち、情熱を伝え勧誘する。私自身この手法に尽きると考えていた。しかし、会員が個々に拡大運動をしても限界があるのではないだろうか。今一度、会員の身近な人や市内企業の青年のリストアップを行い、常に細かな情報を元にブラッシュアップといった手法に加え、我々に共感していただける青年を発掘する場を作り上げることも行い、会員数30名を目指したい。

【子供たちの夢を地域企業と共に広げられる未来を】

我々は子供たちの夢を大きく広げ、夢を持つ子供たちを大人がしっかりと見守り支えられる懐の深いまちを目指し「わくわくワークフェス」の開催を重ねてきた。開催を重ねるごとに参加企業の皆様のご協力もあって着実に成果は上がり、子供たちの壮大な夢を受け止めてくれる大人が増え、この事業はこのまちにとってなくてはならない事業に成長したが、今一度我々だけが主催で継続していくメリットと、地域企業が我々と共に主催として継続していくデメリットを考えたい。今後我々だけで構築し成長させるべき事業として徹底して事業育成に取り組んだ時、事業の本質である「子供たちの夢を広げる青少年育成」の部分はぶれることなく成長すると思っているが、その規模を縮小せざるを得ない状況となる。本年はそういった課題を明確にして、事業がさらなる成長を成し遂げるために参加企業の方々と共に自主的解決意欲を高め、企業の皆様に改めて事業の本質の理解を求め、共に主体となっていただくべく行動を起こし、開催を目指したい。私はこの行動こそ我々の目指す「まちづくり」に繋がると確信している。

【青少年育成・地域活性事業】

「まちづくり」はすべての市民を視野にいれた「ひとづくり」である。人口減少という大きな問題がある中で、団体同士また団体と企業等の連携を図った地域の活性に取り組む組織が見受けられるようになってきた。「みんなでやろう!」これはこれから少人数で地域を担っていく上で非常に重要であると私は思っている。自分たちのまちに希望を持ち、市民が夢を広げ共感しその後の意識改革に繋がるような地域の活性を目指したい。また、子供とも大人とも言い切れない難しい年頃の青少年が稚内を盛り上げるべくして昨年「稚内盛り上げ隊」を結成した。学生もまちづくりにおいては地域の企業や団体と連携し稚内の活性化に取り組むことで学びになり、近い将来この地域の担い手として成長すると考える。この青少年たちと共に稚内のことを考え地域活性事業に取り組み、これを創立65周年記念事業として開催したい。

【創立65周年の開催と創立70周年へ向けて】

1955年に73番目の会員会議所として「稚内青年会議所」が設立された。それから65年の月日を経て今年65周年の節目の年を迎える。先輩諸氏の地域を想う情熱が連綿と受け継がれ、発展へと寄与し続けていただいたからこそ今の我々がいるのである。「明るい豊かな社会」の実現を目指し愛するまちの未来を創造する精神は65年間変わることなく受け継がれている。
1985年、青年会議所の歴史を刻んだ記念誌が発刊された。この記念誌は「生きる」と命名され2010年には「生きるⅣ」まで発刊されている。この誌は会員副読本であり我々が、先輩諸氏の残された歴史に想いを新たに活動をしていく上で、壁にぶつかり、悩む。そんな時に読んで活動の励みともなる誌である。我々が70周年に向かって一歩を踏み出すのであれば、この記念誌「生きる」は無くてはならない貴重な宝であり、青年会議所を担う仲間のために残したい。本年は記念誌「生きるⅤ」を作り上げたい。
創立65周年記念式典において、このまちと共に歩んできた稚内青年会議所の歴史と次の70周年に向けた一歩を踏み出す意と、市民、各地会員会議所会員、そして先輩諸氏に感謝の意を伝えたい。また記念事業においては、地元青少年と共に持続可能な稚内を目指し新たな一歩を踏み出す事業を行い、発信し市民の意識改革を図りたい。さらに敬愛する先輩諸氏と志を同じくする同志・仲間をお迎えするにあたっては、稚内ならではの心からの特色あるおもてなしを行う。そして全体として気配りの行き届いた円滑な運営を行うことで、70周年へ向けた一歩を元気に歩みだせると確信する。

【結び】

青年会議所は未来を語る組織である。その語りの多くに夢があってほしい。夢のある未来を語り合うことができたなら、必ず会員の成長と共に組織は情熱をもって動き出し、未来への情熱は稚内に住まう人たちに伝達し共に持続可能な稚内を創造するためのさらに大きな一歩となる。
全ての人と歴史や文化に感謝をし、壮大な夢のある未来を描いていこう。